Midjourneyで抽象表現を服のデザインに落とし込む! – OpenFashion Translation missing: ja.accessibility.skip_to_text

Midjourneyで抽象表現を服のデザインに落とし込む!

こんにちは、インターン生の佐々木です。

画像生成AIであるMidjourneyは「猫」「海」「ドレス」など実際に私たちが日々目にする具体的な対象の生成はもちろん、「宇宙に浮かぶ薔薇」「空を泳ぐ魚」などみたことがなく、想像力を働かせるものであってもとても魅力的な画像を生成します。

では抽象的な対象、例えば目に見えない感情や感覚はどうでしょう?

ここで指す抽象的な要素とは、「怒り」や「悲しみ」という感情や「痛み」の感覚のような具体的な絵や写真で表現しきれない要素のことです。こうした抽象的な表現をMidjourneyでどのように表現できるのか検証していきます。 

また、今回はMidjourneyの機能である「describe」を使って抽象化された表現をプロンプト(言葉)にして具体化し、衣服のデザインに落とし込んでみたいと思います。

「discribe」とは

Midjourneyは基本的にプロンプトから画像を生成しますが、discribeはその逆で画像からプロンプトを生成します。今回はこの機能を使って、抽象的に表現した画像をプロンプト化し、それを書き換えて、服にしたいと思います。

describeの詳細は以下のブログを参照ください。

【神機能が登場】Midjourney / describeの基本的な使い方

「何を言ってるかわからない」と感じる読者の方も、進行と共に具体的に説明していきますので、ぜひ最後まで読み進めてみてください!

 

1. 抽象表現画像を生成する

まずは抽象表現を画像として生成します。

今回は「哀愁」という感情を表現してみます。プロンプトは、

「Abstract graphic. A melancholy atmosphere.(抽象的なグラフィック、哀愁漂う雰囲気。)」

とします。

これがMidjourneyが生成した「哀愁」を表現した画像です。

この絵を見ていきなり『「哀愁」を感じてください』と言われても、戸惑ってしまうかもしれません。しかし、これがAIが生成した「哀愁」を表現した画像であると説明されれば、納得はできるのではないでしょうか。

 

 2. describe機能を使ってみる

さて、抽象表現の画像が生成されたところで、「describe」機能を使って、画像を具体的なプロンプトにしてみましょう。

プロンプト化する画像は上記の左上のものです。

できたプロンプトは以下の4つです↓

1、an abstract painting with shapes, in the style of graphic design poster art, mechanized abstraction, light indigo and dark amber, ink wash, bauhaus simplicity, smokey background, watercolor landscapes 

(訳:抽象画、グラフィックデザインのポスターアート風、機械化された抽象画、淡い藍色と濃い琥珀色、インクウォッシュ、バウハウスのシンプルさ、スモーキーな背景、水彩画の風景画)

 2、this is a digital illustration in black and orange, in the style of light indigo and amber, bauhaus influence, dreamy watercolor scenes, balanced composition, majestic composition, mike winkelmann, digitally enhanced

(訳:これは黒とオレンジのデジタルイラストレーションで、淡い藍色と琥珀色のスタイル、バウハウスの影響、夢のような水彩画のシーン、バランスの取れた構図、荘厳な構図、マイク・ウィンケルマン、デジタル処理による強化)

 3、abstract painting with bright orange, yellow and brown, in the style of graphic design elements, ink wash, bauhaus, indigo and bronze, misty atmosphere, pristine geometry, emotive landscapes 

(訳:明るいオレンジ、黄色、茶色の抽象画、グラフィックデザインの要素、インクウォッシュ、バウハウス、藍、ブロンズ、霧のような雰囲気、原始的な幾何学模様、感情的な風景画のスタイル。)

 4、a yellow, brown and orange painting, in the style of bold graphic design elements, minimalist ink wash, dark cyan and amber, technological design, bauhaus influence, misty atmosphere, graphic illustration

(訳:黄色、茶色、オレンジの絵画、大胆なグラフィックデザイン要素、ミニマルなインクウォッシュ、濃いシアン色と琥珀色、技術的デザイン、バウハウスの影響、霧のような雰囲気、グラフィックイラストレーション。)

抽象的な表現が具体的な表現に変換されました。色彩の指定(黄色、茶色、オレンジなど)や、画像の効果(構図や雰囲気など)がはっきりと言及されていることがわかります。

 各プロンプトを再度画像生成しました。↓

どれも元の画像に似ているため、精度は一定の高さが確認できますね

 

3. プロンプトを書き換えて、服にする

個人的に気に入ったのが4のグラフィックなので、これを書き換えます。


 4、a yellow, brown and orange painting, in the style of bold graphic design elements, minimalist ink wash, dark cyan and amber, technological design, bauhaus influence, misty atmosphere, graphic illustration  


(訳:黄色、茶色、オレンジの絵画、大胆なグラフィックデザイン要素、ミニマルなインクウォッシュ、濃いシアン色と琥珀色、技術的デザイン、バウハウスの影響、霧のような雰囲気、グラフィックイラストレーション。)


まずは最後の graphic illustrationdressに換えます。

プロンプト
a yellow, brown and orange painting, in the style of bold graphic design elements, minimalist ink wash, dark cyan and amber, technological design, bauhaus influence, misty atmosphere, dress

 

ドレスの画像が2つ生成されました!しかし。入れ替えた"dress"はプロンプトの最後に配置されているため、その優先度は低いと思われます。また、下の2つの生成画像はどちらもドレスの形にはなっていませんね。そこで、プロンプトの"dress"を前方に持ってきます。


a dress of a yellow, brown and orange painting, in the style of bold graphic design elements, minimalist ink wash, dark cyan and amber, technological design, bauhaus influence, misty atmosphere

 

先ほどのグラフィックをプリントしたワンピースができました!

ファッションショーを歩かせてみましょう。

プロンプト
on a runway, a dress of a yellow, brown and orange painting, in the style of bold graphic design elements, minimalist ink wash, dark cyan and amber, technological design, bauhaus influence, misty atmosphere

 

 服自体のデザインは変化しましたが、藍色とオレンジのグラデーションが夕暮れの空を連想させ、私にはテーマである「哀愁」を感じさせられました。
みなさんはどう感じますか?

 

 まとめ

グラフィックや抽象画をプロンプト(言葉)にするのは、人が行うと難しいですすよね。でも、このdescribe機能を今回のように活用すれば、新たな創作活動の幅が広がるのではないかと思いました!人が苦手な部分をAIがアシストしてくれて、新しいものが生まれていく新しさを実感しました。

また、英語が苦手な人でも取り組みやすいと思うので、ぜひ試してみてください。

 

 ※注意点

describeを使用するときの注意点として、「固有名詞の使用」があります。
describeで生成したプロンプトには固有名詞が提案されることがあります。実際に今回生成したプロンプトの中でも確認することができました。

2、this is a digital illustration in black and orange, in the style of light indigo and amber, bauhaus influence, dreamy watercolor scenes, balanced composition, majestic compositionmike winkelmann, digitally enhanced

(訳:これは黒とオレンジのデジタルイラストレーションで、淡い藍色と琥珀色のスタイル、バウハウスの影響、夢のような水彩画のシーン、バランスの取れた構図、荘厳な構図、マイク・ウィンケルマン、デジタル処理による強化)

「マイク・ウィンケルマン」という人物の名前のようなプロンプトが入っていました。調べてみると、実在するアメリカのデジタルアート作家さんでした。

OpenFashion のコンテスト応募などでは著作権保護等の観点から、実在する特定のブランド名」や「固有名詞をプロンプトに入れることはNGとしています。

AIファッションチャレンジなどに応募する際には、固有名詞の使用に気をつけて参加しましょう!

 

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