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AI Fashion Week参加体験談:ファッション界の新たな職業AIファッションデザイナーとは

こんにちは。オムニスの上條といいます。

先日 ニューヨークでジェネレーティブAIを活用した初めてのAI FASHION WEEKが開催されました。(詳細はこちら

このブログでは、AI FASHION WEEKに、私自身がAIファッションデザイナーとして参加した体験談をご紹介します。

AI Fashion Weekへの参加のきっかけ

AI Fashion Weekへの参加のきっかけは、普段私が担当しているファッション関連のシステムのPOやPMをしている中で、ジェネレーティブAIについての技術的な背景やトレンドは知っていたものの、実際に手を動かしてみたことがなかったため、AI Fashion Weekに参加することにしました。

ジェネレーティブAIを使ったファッションデザインの制作プロセス

私は主にMidjourneyを使用し、ChatGPTやD-IDなどいくつかのツールを組み合わせてコンセプト制作や動画制作を行いました。特にコンセプト部分は、これまで業務でやっているようなブランドや洋服のプロセスと同じものを作るのは面白くないと感じ、ChatGPTでZ世代のクリエイターであるJemaima Smithという人格を作成し、彼女とのブレストややり取りの中からコンセプトやディティール、アイテムを決定するという手法を採用しました。

初めてMidjourneyを使用したのは2月25日で、第1次締切の3月8日まで時間がなかったため、わずか1日で技能習得から初期作品までを制作しました。初期からスミレのテーマはあり、別のコンセプトでもバリエーションを作りましたが、最終的には自分が作りやすく実現可能だと感じたものを提出しました。

AI FASHION WEEKは運営側にとっても非常に実験的な取り組みだったため、実施が進むにつれ、参加条件や締め切りなどが緩和・延長され、実際には当初から1ヶ月程度遅れての実施となりました。

Midjourneyは当初V4までしか発表されておらず、顔や細部の歪みを少なく画像を生成するのは運の要素も高く、求められるVogueクオリティや作品内のリアリティラインを崩壊させないことが難しいと感じました。しかし、V5が発表されたことで、再現性が格段に向上し、より複雑なコンセプトや設定が可能になりました。私の場合はせっかくなので、一次選考に通った画像をV4の画像とコンセプトを、V5で作り直してクオリティを高めるような方向性を取りました。

もし、最初からV5があったり、制作期間が長い前提があればまた全然違うものができている作るような気がします。

初めての生成した画像

第1次先行に提出したコレクション

最終提出掲載されたコレクション

AI Fashion Weekで展示したコレクションのコンセプトやアイデアについて

私がAI Fashion Weekで展示したコレクションは、春のスミレの美しさをコンセプトにしています。コレクションは、複雑な素材を用い、透明感を出して植物の生命力と優しさを表現し、女性のエンパワーメントを象徴するように作り上げました。AI Fashion Weekの目的はプレタポルテを目指したものですが、私はリアルクローズよりの等身大の女性が着てみたいと思うようなデザインを目指しました。私はジェネレーティブAIによるデザインが、現実的なラインで違和感なくできるかどうかの検証を目的としました。

作品自体のコンセプト説明は、Jemaima Smithの画像を作って、原稿をChatGPTで作成し、動画化したものがあります。こちらも併せて選考に提出しています。

 
 

今回のAI Fashion Weekに参加して得た経験や学び

AI Fashion Weekに参加したことで、明確な目標設定を持つことが大切だと気づきました。私自身は、技術として理解しているだけではなく、自分が思うような画像を作り出すことができるようになりました。また、私の所属するオムニス社の社員たちも、この4月に弊社が実施したAI FASHION CHALLENGEに参加するために多くの作品を作ってみることで、技能が大幅に向上しました。ジェネレーティブAIのよる画像生成はすでに実用可能なクオリティにまで到達しているため、今後はどう使うか、使うために必要な技術や筋力を鍛えることが大切だと感じています。また今後は、AIファッションデザイナーという職業を業界内でも明確に確立させ、ファッションならではの表現技術ためのスキル・人材育成や、さらに高度な技術へと成熟させていくことが重要だと考えています。

また、AI Fashion Weekには多種多様な職種や国籍の人々が参加しており、ジェネレーティブAIによる画像生成が、クリエイティブの民主化を促進し、ファッションデザインや企画の分野で大きな可能性を秘めていることを実感しました。一方で、このAI Fashion Week参加者130名の名前を見ると、私以外に日本人と思われる人の名前を見つけることはできません。それは、これだけ多くの素晴らしいファッション従事者がいる日本でも、まだまだジェネレーティブAIの技術やそれがファッションに与える影響に着目する人が少ないことを如実に物語っています。私は今後このの体験を通じて感じたことや、実際にどのように日本のファッション産業が変わっていくのか、そして変えることができるのかを皆さんにお伝えできればと思っています。

最後に

このブログを読んでいただいた皆さんは、「そんな簡単なら、私もAIを使ったファッション制作に挑戦してみたい!」と思ってくれたのではないでしょうか? もしそうならば、その気持ちをぜひ実践につなげてみてください。

AI Fashion Weekは今後も開催される可能性が高く、私たちオムニスが主催するAI FASHION CHALLENGEのような企画も増えていくことでしょう。そうして、AIを使ったファッション作品発表の場や、AIファッションデザイナーの必要性はさらに高まっていくと思います。

もしAIファッション制作のはじめ方やヒントがわからない場合は、OpenFashionのブログを参考にしてみることをおすすめします。また、企業やチームでジェネレーティブAIを活用したい場合は、OpenFashion for Enterpriseにお問い合わせいただくことで、私たちがお手伝いをすることができます。

これから、より多くの人がジェネレーティブAIを使って自由な発想でファッションを制作し、AIファッションデザイナーとして新しいキャリアを築いていくことを楽しみにしています。

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